川内の家 見学会
2020年の6月に行われた、CIPAによる古民家探訪の報告です。
この建物は広島市中心部から北へ8-9km に位置し、慶応、明治、大正、昭和、そして平成、
令和と増改築を繰り返し今日に至っています。
構造は木造二階建て、住宅と医院建築で当時の職人技が随所に見れれる貴重なものです。
当家の挨拶に始まり歴史的な経緯や主な見どころの説明後、各自自由に見学させて頂きま
した。大正末期に洋館部分が増築され職人の技も多く見られ、原爆の爆風にも耐え当時の
面影を残しています。増築部分の外壁は寒水石の洗い出し、外部建具は木製サッシュでガ
ラス部分は( 南爆心地方面) 殆ど爆風で壊されたそうです。
特に二階大広間は三十畳で格天井、床の間の造作や部材は贅を尽くし当時を感じさせます。
そして洋風造りのモダンな部屋、時代と共に増改築され素材等にも工夫がみられ、玄関戸
にはラワン材( 当時南洋材は貴重品? ) やダイヤカット柄の型ガラスが懐かしい。
この度は施主様のご厚意で、建築当時の姿を残した貴重な建築物を見学でき有意義な見学
会となりました。
2022.2.21